1980年 ４月 50,000円(税別) で発売された山上るい先生の大型本＂布花＂写真集 【 布花　DESIGNED BY ROUIE YAMAGAMI 】 です。 1993年 ６月26日に先生の直筆サインをいただき購入いたしました。 ほとんど開かぬままにカバーに入れた状態でガラス戸付きの本棚にしまっておりました。 本体　35×26×2.5 ㎝　 入手が大変難しい本です。 ケースに入れたまま保管しておりましたので、中は大変綺麗な状態です。 ケースから出る背表紙カバーの部分に少し紙の経年によるシミのようなものが見られますが、気になるほどではございません。 山上るい先生の布花に心惹かれてアトリエに通った門下生の方々が各地で活躍される現在ですが、山上先生の布花に込めた心は今尚語り継がれ、数々の作品として私達の心に語りかけてくれます。 山上るい先生の布花をお勉強されていらっしゃる方、溢れるほどの想いの込められた布花の写真の数々に圧倒される美しさに陶酔する名書です。 お探しの方にご縁がありますように。 ー本書より抜粋ー 青い大地をすき通った風がふき渡ります。 みどりの木の葉に雨滴がきらきらと光ります。 白い雪片が際限なく裸木に舞いかかります。 人生を遠くに眺め乍ら、白つめ草を胸一杯に抱き込んだ幼い日から、たくさんの修行の時間が経ってしまいました。 家の中が花で埋まるお葬式にあこがれて、花づくりをはじめたのでした。 歓びと悲しみをあざない乍ら、年月にさらされて、清冽な思いの花を胸に、人はみな自分で自分をはげまし、己れの人生を編み上げてゆこうとします。 思いを胸に抱き変えて、生涯己ひとりの花摘みを続けて参ることでしょう。 生きてある限りの生命よ花となれ。 日常の瑣事に命あれ！ 一日、一日が重なりあって白い半月となり、青味をおびた月となりやがて大きな年となる。 さまざまの人とそしてさまざまのことがからみあいながら、わたしの編み込み模様はその色と姿を刻々と変えてゆきます。 人は歓びのときよりも絶望の時にこそ、自分で自分をとり戻すような気がいたします。 大きな愛に支えられてこれからも彩られる日々が、花に変わっていくでしょう。 私の過ぎ去ってしまった、つたない日の思いの花がここに集められました。 多くの感謝と、あふれる想いを胸に抱いてこの花束を贈ります。 　　　　　山上るい